Tomoco Kawaguchi

<TRA・DIT・ION=超えて・与えられる・もの> by Tomoco

この作業が始まったのはいつだろう。最初は、師匠である佐藤信さんと、香港のダニー・ユンさんの企画“The Spirits Play”(2011年~2013年/1年目は鴎座、それ以降は座・高円寺のスタッフとして参加)だろう。シンガポールの劇作家・郭宝崑が太平洋戦争の体験…

そして、マカオ by Tomoco

2013年からの香港のアーティストとの共同プロジェクト「絶対的」や、2016年度のJCDNのAIRプログラム@香港でも協働している粤劇(広東オペラ)プレイヤーのパリス・ウォンとマカオで待ち合わせ。マカオ美術館で開催されている『海上生輝』を観に行く。中国王…

香港からマカオへ、橋の上を移動する by Tomoco

2018年10月、香港と中国本土およびマカオをつなぐ全長55kmの橋が開通した。マカオまでシャトルバスで40分。滞在中の香港島からシャトル乗り場まで1時間程度かかるので、上環からのフェリーに乗ったほうが楽なのだけれど、なんとも橋が気になったので橋を渡る…

香港 Day10:滞在制作最終日 by Tomoco

西九文化區を訪問。広大な敷地。2日目に観劇した戯曲中心は出来上がっているけれど、ほんの一部の施設を除いては順番に工事中。2023年にすべてが出来上がるとか。2023年、香港はまた大きく変わっているのだろうな。もちろん、東京も、大阪も、京都も、私たち…

香港 Day9:プレゼンテーション by Tomoco

プレゼンテーションの朝。もちろん飲茶から始まりました。 油が多めの食事には、普洱茶がよく合う。飲茶なのだから、主役はお茶のほうだし。 朝からこの豪華さ 歩く(毎日の移動とたまに行く登山)他には、ほとんどの運動神経を持ち合わせていない私。同じく…

香港 Day8:リサーチは続く! by Tomoco

朝8時。香港ダンスカンパニーのある上環に到着。飲茶。先日の“蓮香楼”とはまた違う味。月曜日の朝、おじいさんたちがお茶を飲みながら新聞を広げている。自分の居場所がある生活。スティーブが「香港はとても複雑な町」と言う。それぞれに生活圏がわかれたり…

香港 Day7:境界線上を浮遊する by Tomoco

1日空いて、再び集合。 8:20 V54にスティーブのお迎え。日曜日の朝は渋滞もなく、あっという間に荃灣のTS Studioに到着。今日も全員そろって朝ごはんからスタート。宮古島から考えれば、もう3週間も共同生活をしている。当たり前だけど、宮古島にいるときと…

香港 Day6:個人作業日 by Tomoco

今日は個人作業日。 香港についてからほとんどゆっくり過ごすことがなかったので、貴重な中休み。 V54では“きっと”阿児ちゃんは豆腐をつくり、塚原さんは雑誌を切り抜いているはず。 私は、といえば、朝8時から机に向かう1日です。 メンバーからもらったルー…

香港 Day5:プレイヤーズ by Tomoco

昨日食べた坪洲島海水豆腐は無事食あたりにはなりませんで少しホッとした朝でした。 今日の朝ごはん。塩ゆでマカロニ。 朝9時、V54までスティーブのお迎え。そこから九龍側の北西・荃灣まで向かいます。目指すはボさんとスティーブのカンパニー”TS CREW”のス…

香港 Day4:動くをはじめる by Tomoco

はい、また今日! これ、本当にレジデンスの醍醐味です。24時間がつぎの24時間につながっているんですね。大変だけど、楽しいです。 朝10時。みんなV54に集まっています。 まず、フェイが香港の海を撮影したフッテージを見せてくれて、それに対して空間とか…

香港 Day3:ディスカッションデー by Tomoco

モーニングセッション。V54に集合。 暖炉のあるコモンルームで。冷房つけましたけど。 (ところで2月でこの暑さ(半袖)ですが、暖炉使うことあったのかな、100年前は) コモンルームにある暖炉 “Feedback from yesterday”と言って今日の一日が始まる。 私が…

香港 Day2:香港探策 by Tomoco

起きた瞬間からクリエイションが始まるのが滞在制作のいいところ。 部屋で優雅にお茶を飲みながら、昨日の積み残し作業。 9:45am 本日のアクティビティ開始。 まずは中環の蓮香楼へ。百年以上続く茶館(飲茶の場所)。惜しくも今月末で閉店してしまうという…

香港 Day1:V54に入居 by Tomoco

明日から香港でのクリエイションがスタート。 早朝、自宅を出発して、雨の香港へ。 夕刻、滞在先のV54(Happy Valley)に到着。 1925年に建てられたアールデコ調の住宅を2016年からアーティスト・イン・レジデンスの場所として活用している。とても快適。タ…

くつ/くとぅ/ことば/靴のはなし

滞在最終日のプレゼンテーション。 クリエイションの入り口に立つためのプレゼンテーションで、何をするか。 原点に戻ろう。 「伝える」こと。 私は何者で、何を考え、何をするために、今、ここにいるのか。 それを文字どおち「ことばを借りて伝えてみよう」…

TRANS/橋/ことば part 4 by Tomoco

船で大神島にわたる塚原さんの背中のサメ 最後にTRANS。香港との交流を続ける中で、移動/TRANSがテーマとなっていることは前述のとおり。そして、今回のクリエイションでは、TRANSが作業の中心を担ってくるように思う。TRANS-LATION, TRANS-FAR,TRANS-ITIO…

伝統/現代 主に時間編 TRANS part 3 by Tomoco

宮古島滞在よりさかのぼること数カ月。ヒューといろんな会話をする中で、印象に残っていること。香港の今の変化を止めることはできないだろう、けれども、どうやってこの変化をよい方法で受け入れることができるか、それが次の世代への責務であると。アダプ…

伝統/現代 主に空間編 TRANS part 2 by Tomoco

2013年から「絶対的」と銘打って香港のアーティストと一緒に共同企画を行ってきた。メンバーのひとりに広東オペラの俳優がいる。パリス・ウォン。彼は、香港で唯一、女役を演じる女形。さらに2016年、JCDNのダンス・イン・レジデンスで、広東オペラのアクロ…

日の出 by Tomoco

2週間の滞在のほぼ終わり、朝日を見に歩いて海辺へ。展望台から日の出を臨む。空も海も、即興で色が変わっていく。何色と表現することも難しい。刻々と変わる。太陽が海の端にまだ沈んでいるころ、水色の空に浮かぶ赤い雲、その日の雲はひつじ雲かな? 完全…

池間島―宮古島―伊良部島―下地島・・・橋、そしてサバニから、TRANSへ。 by Tomoco

伊良部島にあった網の山 ところで、多くの島同士が橋でつながっている。中国と香港とマカオも橋でつながった。橋でつながることで、島の生活が便利になることを期待していたけれど、実際には人が出て行っただけだったと聞いた。橋はつなげるものであると同時…

ドン・キホーテ by Tomoco

おどろくことなかれ。宮古島には夜中も営業しているドン・キホーテがある。2016年8月にオープンしたとか。東京にいるときでも、ドン・キホーテとTSUTAYAとBOOKOFFにはほぼ足を踏み入れない。所狭しと並べられている商品の軽んじられている価値と、情報過多な…

みゃーくふつ② by Tomoco

みゃーくふつの面白さ。それは未だ定義されていない、生きた言語だということ。滞在先、友利地区の地域の飲み会で、オジイたちの会話を聴く。50代以上の方々はみゃーくふつを第一言語として話している。しかし、これが人によって全然違う。違う同士で通訳な…

みゃーくふつ➀ by Tomoco

みゃーく・ふつ=宮古のことば。これを語らずに私の宮古島滞在はない。 そもそも、なぜ宮古島のことばに興味を持っていたのか。 1.宮古島のことばには初めて出会うけれど、沖縄本島で出会っていたことばたちからの類推。そもそも方言ではなく、もはや違う…

下地島・海 by Tomoco

いん(海) 海。この1文字で語ることがもはや不可能。これを同じ海と呼ぶことができるのか? びっくりするほど美しい。海の向こうから神様、先祖がやってくると思うよ、そりゃあ。と本当にため息しか出ない。宮古島の海と宮古島のことばに共通点がある。

下地島・佐和田の浜・明和の津波(1771年)による巨石群 by Tomoco

1771年の明和の津波で運ばれてきたという巨石が海に浮かんでいる。みたことのない景色。津波の後。1771年のその津波で運ばれてきたのは巨石の他になにがあっただろう。海で朽ちる木の舟や網、生き物たちもいただろう。沈む金属製の舟や車、タンカーから流れ…

Day8 by Tomoco

宮古島のことばにすっかり魅了されている。 宮古にはオトーリ(御通り)という乾杯方法がある。 私たちが滞在している友里(トモリ)という集落は、宮古の中でも特に酒飲みのエリアだそうですが、地域の飲み会にお邪魔させていただくと、オトーリが回ってく…

Day5 by Tomoco

與那城美和さんに会う。 宮古島に生まれて宮古島に育った美和さんは、宮古島のことばの歌を歌っている。 美和さんは、ことばをひとつずつ丁寧に風に乗せるように歌う。 はじめに歌っていただいたのは、「豊年の歌」。 人頭税という恐ろしい法律のもとに苛酷…

あたらす市場 by Tomoco

日々の食品の買い物で一番好きだった場所。あたらす市場。みたことのないお野菜がいろいろとある。クセが強そうで、おいしそう。島のお野菜。その土地にしかないものを、その土地でいただく。これがその土地に出会うひとつの方法である。生の島とうがらしを…

主催:NPO法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク

平成30年度文化庁アーティスト・イン・レジデンス活動支援事業